株式会社わたしん代表取締役社長 片山 慎一

夢は見るものではない、実現させるものだ。
次代への希望を育むのが、私の責任です。

いい眠りをとることで、次の日をよりいい形で過ごせるように。それがより良い人生に繋がっていくと
考えます。皆様とともに150年、ねむりの専門店「わたしん」のこれからに自ら期待しています。

150周年は、人生に1度の節目

わたしん創業150周年おめでとうございます。
社長はいまこの150年の時間の重みをどのように感じていらっしゃいますか。

片山

150年というのは50年を1周期と考えれば、ひとりの人生の中で2回とないタイミングであるし、大きな節目だと思います。
そこで考えるのは、過去の積み重ねが現在になっているので、まず過去をきちっと理解したうえで、いまがあることに感謝したい。それをもとに未来をどのように描くか、つまり次の50年紀(創業200周年)を迎える「わたしん」に思いを馳せたい。
諺でいえば“温故知新”ということでしょうか。

社長自身が「わたしん」にお入りになるとき、何か会長からお話はあったのでしょうか。

片山

入るのは必然であったので、とくに入るにあたっての話はありませんでした。
幼い時から自覚していたと思います。大学を卒業した後、修業に行くかという話もあったのですが、自分で外の世界を見てみたいと言う思いもあったので、修業ではなく就職をしまして、基本的には家業を継ぐにしても外の世界を知るということが活きてくると考えました。
就職活動を経て、きもののやまとさんに就職したのですが、良い先輩や仲間に恵まれ、また繊維を扱う販売業ということで、家業に繋がる部分がたくさんあったと思います。
入社して丸3年を迎えるころ、父が突然体調を崩し急きょ家業へ戻ることになり、「わたしん」の主要取引先である西川さんの小売り部門、日本橋西川さんに修業生として2年間お世話になり、寝具業界全般の勉強をさせていただきました。その後、1999年に「わたしん」に正式入社したわけです。

「眠りを」ライフスタイルを提案

入社してから、節目となるできごとはございましたか。

片山

ひとつは“ 眠り”をテーマにした総合催事の立ち上げに参加できたことでしょうか。それまではどちらかというとブライダルとかお客様の日常の生活から起こる需要に対応した売り出しが中心でしたが、お客様にモノを通じてライフスタイルを提案していく、そういうフェアを作ったのが大きく変わったことではないでしょうか。
もう一つは、我々自身の意識改革が進んだということでしょうか。モノとしての寝具はとりあえず行き渡ったという時代になって、これから何が大事かと考えたとき、眠りが人生にとって非常に大きな影響を及ぼすものであると気づきました。心と身体の面から考えても眠りは大切であり、それが充実していれば人生を楽しく豊かに過ごせるのではないかと。
いまは眠りの専門店として、お客様の人生にどのように関われるかを考え、その方向から商品・店づくり・サービスを見ていくようになっています。

社長に就任される頃でしたか、会長から何か言葉を頂戴したと聞きましたが。

片山

メモ書きをいつも手帳に入れて持っています。それは“ 困難な判断に直面した時は、迷わず難しい方を選べ”という言葉です。
肝に銘じていることですね。上司である父から社長になるときに戴いた言葉です。正直、この言葉が折に触れ浮かんでくる局面もありました。

社長にとって使命感は、どんなところにありますか。

片山

“三方良し”という近江商人の言葉がありますが、売り手よし、買い手よし、世間よし、この言葉を大切に思っています。
これは日本橋西川さんで修業させていただいた縁で聞いた言葉の一つでした。自分の夢を追いかけるだけではなく、社員やお客様、取引先や地域社会などの世の中の皆様すべてに対して、なくてはならない会社でありたいと考えています。
例えば商品を販売して終わりではなく、長く使って喜んで頂くために5年、10年を超えてアフターサービスを行い、世代を超えたお付き合いを志し、地域のために店を存続させていく責任を考えるようになりました。

地域に根付いた店舗展開

これからの10年に向けて何か具体的に考えていることはございますか。

片山

2016年3月に匝瑳店(旧八日市場店)が新装オープンしました。他の既存店についても10年のスパンの中では、時代に合った店へとリニューアルする必要があるでしょう。
そして、眠りの専門店としてふさわしい店舗へと店構えだけでなく、人材、商品、サービスを育てていきたいと考えています。
また、東総地区・北総地区、茨城県東部・鹿島地区は既存の店舗で網羅できているので、次は成田や千葉県西部、茨城県の西部といった地域に眠りの専門店を展開していきたいと思います。
もともと我々は寝具に特化してやってきた店なので、そこが商品構成の中心になるのは当面変わらないと思います。ただそれを取り巻く商材が変わっていく可能性は大いにあるでしょう。
その軸になるのが眠りというキーワードということになります。眠りを司るのは寝具だけではありません。眠っているときだけでなく、眠る前、そして起きた後、それを含めて眠りをとることで次の日がよりいい形で過ごせるように、それがより良い人生に繋がっていくと考えます。
寝具という我々が一番強い商材を核としながら、いい眠りに関わる商品、サービスを提供していくことが大切です。10年というスパンの中では、チャレンジしていくことはたくさんあります。

わたしんの次代を担う人材の育成という点ではどのようなお考えをお持ちでしょうか。

片山

まずは定期採用をやっていきたい。そのためには社内の整備・充実や変革等やることは沢山あると思います。
我々のような小売業、販売業を地域でやっている会社に、これから未来ある若い人たちが入ってみたいという気を起こさせるような会社になっていくことが大事だと思います。
具体的な方針としては、資格制度を利用して学ぶことがきちっとできるという環境づくりでしょうか。
社員個人の専門的な知識やスキル、経験が生きる人材の登用制度、仕事内容の変化にも対応できる体制づくりが必要だと思います。人材の育成を多岐に渡ってやっていくことがまず必要だと考えています。

最後になりますが、社員の皆様に向けて、社長自身のこれからの夢を一言でいってください。

片山

時代時代における社員の皆さんの努力のお蔭で、150周年を迎えることができ、心から感謝しています。
200周年に向けて、眠りを通して豊かで楽しい幸せな地域社会の創造に貢献し、共に社業の発展を志し、社員の皆さんの幸福を高められればと思っています。
力を合わせ一歩ずつ前進していきましょう。